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地価公示の状況(福岡市を中心として)

一般の土地取引の指標となる公示価格ですが、相続税や贈与税の財産の基礎となる路線価(毎年7月公開)に大きな影響を与えています。原則、路線価格は公示価格の80%、固定資産税評価額は70%と言われていることから、令和8年の公示価格を分析することによって、令和8年の7月に国税庁から公表される路線価格の傾向を推測することができるわけです。

福岡市においては、上昇基調ではあるものの、昨年に比べて上昇地点及び上昇率が縮小されています。ちなみに住宅地平均の上昇率は7.0%(昨年9.0%)、商業地は9.0%(同11.3%)、工業地については11.3%(同14.8%)といった状況でした。

しかしながら、場所によっては10%以上の上昇をしているところもあり、当該地区においては、令和8年分の路線価も10%以上高くなると思われます。では、どこが上昇したのでしょうか。公表された上昇率上位10位を見てみますと、住宅地では、福岡市中央区大濠1丁目(大濠公園そば)が上昇率及び価格においても断然トップで、価格は1,490,000円/㎡(上昇率13.7%)でした。福岡の方ならばご存じの方も多いかと思われますが、この地区にはアメリカ領事館もあり、閑静な住宅街で近くには憩いの大濠公園もあり住環境が整っています。なお、この地点は、昭和58年から44年連続で最高価格地点となっています。その他の住宅地の上昇率地点で特記すべき事項としては、福岡市早良区の次郎丸(上昇率4位)、福岡市西区橋本(同7位)が、地下鉄七隈線の博多駅延伸の影響と思われ上昇し、また、福岡市東区箱崎が九州大学跡地の開発(2026年4月から順次土地引き渡し)を見越して上昇率9位と10位といった結果となりました。

次に商業地ですが、天神エリアや博多駅エリアの価格が高いのは当然のことなのですが、上昇率第1位となったのが、先ほど住宅地で述べた福岡市東区箱崎(上昇率18.1%)でしたので、いかに九州大学跡地の開発が期待されているのかが感じられます。参考までに、九州大学跡地は、約50ヘクタール(PayPayドーム約7個分)とのことですが、私自身お恥ずかしいことに想像もつかない広さにしか感じとれていません。

ここからは素人考えの私見になるのですが、今まで述べたように、福岡市東区箱崎地区は、九州大学跡地として新しい街づくりによる価格上昇が如実に表れて納得なのですが、福岡市にはもう一つ、埋め立て地による新たな街づくり香椎照葉地区があります。福岡の方はご存知かと思われますが、当該地区には億を超えるタワマンが今も複数建設されています。今回、香椎照葉地区の価格や上昇率に興味を持っていたのですが、価格は140,000円/㎡(上昇率1.4%)とちょっと目を疑う数値でした。内陸と埋め立て地の違いや素人にはわからない要素があるのだろうと痛感いたしました。

最後に、場所的な格差はあるにしても、令和8年分の路線価格は全体的に上昇することは間違いなさそうですし、特に先ほど述べました「福岡市東区の九大跡地周辺の価格」「地下鉄七隈線沿線の価格」の今後更なる上昇も考慮したうえで、相続税対策等の検討が必要ではないかと考えています。